葛城酒造の酒造りには、酒造好適米「備前雄町」は最早欠かすことができません。
「備前雄町」の深い味わいを活かした、旨口の喉ごしの良い、旨みある酒を造っていきたいと思っております。
酒ができると、季節商品以外は、低温(0℃~5℃)でじっくりと貯蔵し熟成させます。
そうすることにより「備前雄町」本来の旨みを引き出し、きめ細かな味を造っています。
酒造りに適した米とは、食用のそれとは大きく異なり酒米と呼ばれます。
酒米は一般の米より粒が大きくて柔らかいのが特徴で、中心の心白の部分が大きく、雑味成分を含むタンパク質が少ないことが条件とされています。
『雄町』は背丈が160cm以上にもなり台風などで倒れやすく病虫害にも弱かったため、栽培が手間がかかり難しいため大変希少性の高い酒米です。
そのため、瀬戸内海式気候で年間を通じて天気や湿度が安定しており、温暖で災害の少なく水稲耕作に不可欠な水資源を豊富に持つ岡山県が総収穫量の約9割を占め、他県ではなかなか普及しませんでした。
『雄町』は『山田錦』『五百万石』『美山錦』と並んで4大酒造米のひとつで、昭和初期には「品評会で上位入賞するには雄町米で醸した吟醸酒でなければ不可能とまで言われた酒米です。 雄町を使って醸し出された酒は「まろやか」「ふくよか」「幅のある」などと形容されることが多く、現在も多くの杜氏や日本酒愛好家たちに強く支持され続けています。
酒造りに適した米は、心白(米の中心にある白い部分・デンプンの集合体)が大きく、吸水性や糖化性に優れていることが大切です。
酒米として有名な『雄町』と『山田錦』を比べてみると、山田錦の心白が棒状であるのに対し、雄町の心白は球状で柔らかいのが特徴です。
『雄町』は、『山田錦』の親にあたり、現存する酒米の約3分の2の品種の祖先と言われています。
多くの品種が雄町の系統を引き継いでおり、いくつもの優良品種を生み出しています。
奈良県西部に位置する葛城酒造は、奈良盆地の西の金剛・葛城国定公園の麓にあります。
金剛山、葛城山からの地下水がすり鉢状の盆地に向って流れ込んできます。
山にしみ込んで濾過された清澄で汚れなき地下水を途中で拾うように汲み出てきます。
100メートルも掘ると中硬水の水が出てきます。
仕込み水は、すべて自然の恩恵をいただいて酒造りに生かしています。